気味わるき、
十二月の、ひねもす。
そとには、おやみなくそゝぐ雨、
軒端にみだらなる、なげかひ………
苦るしまぎれに煙草をすふ。
音なき浪――けむりのなかに、
うす暗き人生は、哀れ
かゝみて――渦まく。
時々未練、眼をかする、
覚束なき恋のたはむれ!
力なく趁ふては、きゆる、
あはれ十二月の室内のひねもす。
陰鬱な空気 と
あおこけむす、きみ悪き墓場!
何者か深い/\底より、
吐息をもらす。
しとしとと雨
すてやりの孤独のいのちは、
黒蝶のごとく、その
棕梠の葉のうすあかり、
郊外の空に、雲のひときれ、
十二時の鐘は、静かにうたふ。
あかき
顔に触るゝ空気のかなしさ………
ラリアはあへかに笑ふ――
色みな恋 音楽!